
ヤクルトとの神宮3連戦は、カード負け越しという結果に終わった。
だが、この3試合を通して見えたのは、大きな差ではない。
ほんの“少し”の違いだった。
初戦。
柳には「今年こそは」という強い思いがあった。
開幕前までに揺らいでいた信頼を取り戻すため、一球一球に集中する。
わずかなズレも見逃さず修正する投球。
“少し”の乱れすら許さない姿勢が、完封という結果につながった。
しかし2戦目、その流れは雨によって一変する。
櫻井はマウンドコンディションの変化に対応しきれず、持ち味の制球に狂いが生じた。
本来のコースからわずかに外れたボールを、ヤクルト打線は見逃さない。
その“少しのズレ”が、大量失点へとつながった。
そして3戦目。
エース・高橋宏斗にも試練が訪れる。
投手キャプテンとしての責任、そしてエースとしての自覚。
大野や柳の完投・完封を見て、「自分も」という思いがあったはずだ。
6回は崩れかけながらも、粘り強く抑えた。
しかし7回、チームに訪れたチャンスで得点を奪えず、流れを掴みきれなかった。
迎えた“魔の7回裏”。
宏斗は一つのアウトも取れないまま、2点を失う。
あの回にあったのは、大きな崩れではない。
ほんの“少し”のズレだった。
だからこそ、その差は大きい。
この3連戦で浮かび上がったのは、ほんの“少し”の差だ。
柳はその“少し”を制し、
櫻井と宏斗は、その“少し”に苦しんだ。
さらにチームには試練が続く。
野手キャプテン岡林勇希が離脱し、橋本侑樹も戦列を離れた。
まるで何かにとりつかれたかのように続く離脱は、流れの悪さを象徴している。
それでも光はある。
四番・細川成也に初打点、初本塁打が生まれた。
そして若手・花田旭も台頭し始めている。
今季は球団90周年。
優勝への期待が高まる特別なシーズンだ。
しかしその大きな目標が、足元を見えにくくしている側面もある。
連敗による焦りも重なり、本来できていたはずの判断に“少しのズレ”が生まれている。
だが、必要なのは変わらない。
今は一戦一戦、力をつけている段階だ。
それはチームだけではない。
ファンもまた、同じ思いでこの戦いを見つめている。
目の前の一球、ひとつのアウト。
その積み重ねの先にしか、勝利も優勝もない。
焦る必要はない。
この“少し”を埋めたとき、チームは必ず変わる。



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