取り返す、でも守れない――逆転負け3連戦、その中身

はじめに

中日ドラゴンズは甲子園での3連戦、すべて逆転負け。
だが内容は崩壊ではない。

取り返している。それでも守れない。
この違和感こそが、今のチームの現在地だ。

第1戦:崩れた“昨年の勝ちパターン”

先発は先週と同カード。
昨年までの対・村上のイメージで言えば――
**「先制して、そのまま逃げ切る」**これが中日の形だった。

今年も不思議と先制はできる。
しかし、ダメ押しが取れない。

この試合も、柳はクリーンナップをしっかり封じ、流れ自体は渡さなかった。
それでも、味方のミス(花田・細川)から崩れ、
大山に同点打を許すと――

7回、ここまで無失点だった根尾が
森下に初球をバックスクリーンへ運ばれ、逆転。

👉 「守れていた試合を、自分たちで崩した」

第2戦:流れを掴みきれなかった“連鎖の試合”

先発は大野。
三振は奪えていたが、先に点を失う苦しい立ち上がり。

それでも流れを変えたのは、前日の接触プレーでスタメンを外れた花田に代わって入った鵜飼。
値千金の逆転2ラン。
ここで試合は落ち着く――そう思えた。

だが、その直後だった。
森下に同点のタイムリー二塁打。
さらに佐藤輝明の打席で、思わぬアクシデントが起こる。

好調だった三塁・福永がファールフライを追ってカメラマン席へ。
そのまま担架で運ばれる緊急事態。
球場の空気が一気に変わった。

嫌な流れになりかけた中、それでも大島が勝ち越しタイムリー。
再びリードを奪い返す。

しかし――
7回からの継投で流れは完全に阪神へ。

トレード加入の杉浦が森下に再びタイムリーを許し同点。
さらに木浪にも打たれ逆転。
ここで大野の勝ちは消えた。

終盤、9回には逆転のチャンスを作る。
“あと一押し”の形までは作った。

だが最後、頼みの細川が三振。ゲームセット。


👉 「流れを何度も掴みかけて、すべて手放した試合」

第3戦:逆転、逆転、そしてまた逆転――心を折られた一戦

先発・高橋宏斗にとっては、今季初勝利をかけた重要なマウンド。
相手は前週抑え込まれた伊原。リベンジの意味も強い試合だった。

初回、中日は理想的な攻撃を見せる。
マスター阿部のタイムリー、さらに村松の出塁も絡み、幸先よく先制。

しかしその裏――
宏斗が先頭・近本に内野安打を許すと流れが一変。
森下、佐藤輝明に連続タイムリー。
大山は抑えるも、内野ゴロの間に逆転。

👉 一気に試合をひっくり返される“悪夢の立ち上がり”。

それでも、この日の中日は違った。
直後の攻撃、2番に入った石伊が――
大島を置いて逆転2ラン。

さらに3回には大島のタイムリーでリード拡大。
打線は完全に機能していた。

本来なら、ここからが“昨年までの宏斗”。
立て直し、流れを渡さず、そのまま勝ち切る――

だが、今年は違った。

5回、先頭打者の出塁から崩れ、1アウト満塁のピンチ。
佐藤輝明、大山に連続タイムリーを浴び、同点。

さらに次の回も先頭を出し降板。
後を受けた投手陣も流れを止められず、
近本に勝ち越し打、そして佐藤輝明に一発。

👉 完全に流れを持っていかれた。

その後の攻撃もヒットは出る。
だが、あと1本が出ない。

そして試合は、そのまま終了。


👉 「3度リードして、3度ひっくり返された試合」

中身の正体

この3連戦の本質は3つ。

  • 取り返す力はある
  • でも守れない
  • 最後に決めきれない

投手面の課題:四死球と“迷い”

流れを手放したきっかけは、四死球と先頭出塁。
特に目立ったのが――

2ナッシングからの迷い。

  • 際どく攻めすぎてカウント悪化
  • 苦しくなって甘く入り痛打
  • あるいは四死球

👉 有利なはずのカウントで、主導権を失っている。

2ナッシングは“追い込む”カウントではない。
“仕留めにいく”カウントだ。

ここで必要なのは、開き直りと決め切る覚悟。

攻撃の課題:あと1点が遠い

中盤以降、チャンスは作れている。
それでも――

👉 突き放す1点が取れない。

  • 進められない
  • 決めきれない
  • 中途半端な攻撃になる

その結果、流れを相手に戻してしまう。

中軸の不在感

ボスラー、細川という軸はいる。
だが現状――

👉 “一発の怖さ”が相手に伝わっていない。

特に細川。
チャンスで回ってきても、試合を決める長打が出ていない。

その結果――

  • 相手は前半で無理に勝負しない
  • 後半だけ勝負すればいいという余裕が生まれる

👉 主導権が相手に渡る構造

光(ポジティブ要素)

それでも
大島、鵜飼は機能している。

👉 ピースは揃ってきている

必要なのは
打線の再設計=線にすること

まとめ

いい試合はできている。
だが、勝てない。

取り返す、でも守れない。

その差は、わずか1点。
しかしその1点は、偶然ではない。
四死球、1球の迷い、1本の不足――
すべての積み重ねだ。

この“あと1点”を越えたとき、
初めてチームは勝ち始める。

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