中日ドラゴンズ

「諦めかけた夜――9回、一振りがすべてを変えた」

“またか…”を吹き飛ばした9回の一振り

あの瞬間、思わず叫んだ。
「でかい声やったぞ!!」

正直、その前までは――
「またか…このまま負けるのか」
そんな思いが頭をよぎっていた。

今シーズン調子のいい柳が打たれ、点差を広げられる。
そのたびに、心のどこかで
「柳でもやっぱりだめか…」と、少しずつ負けを受け入れかけていた。

たぶんあの時、
本当にドラゴンズファンは連敗でやられていた。
期待するほど苦しくなる、そんな空気さえあった。

それでも――

反撃は、静かに始まっていた。

ボスラーの一発。
そこから、少しずつ、確実に繋いでいく。
派手さはなくても、「まだ終わっていない」と思わせる流れが生まれる。

そして迎えた9回裏。

すべてをひっくり返した一振り。

村松の打球が上がった瞬間、
それまでの重たい空気が一気に弾けた。

あの瞬間の歓声は、ただの逆転じゃない。
溜まっていたもの全部が、一気に解き放たれた音だった。

気づけば叫んでいた。
気づけば、体が前に出ていた。

試合が終わった後――
ドラゴンズファンの喜びの動画をYouTubeで見た。

画面の向こうでも、同じように叫び、喜び、拳を握りしめている。

「ああ、みんな同じだったんだな」

そう思えた夜だった。

そして、うちでは――
子どもがあのホームランの動画を、何度も、何度も見返していた。

それくらい、心に残る一発。

それくらい、価値のある一発。

あのホームランは、ただの逆転打じゃない。

連敗で沈んでいたドラゴンズファンの心を、
一気に解き放った――

“反撃開始”の一撃だった。

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