中日ドラゴンズ

「まだ背番号22がいる――大野雄大、圧巻の101勝」

大野雄大と田中将大――。
同級生エース対決として注目された一戦。

正直、試合前は半信半疑だった。

田中将大は、ドラゴンズ打線があまり得意としてこなかったタイプの投手。
丁寧にコーナーを突き、大崩れしない。
気づけば打たされ、淡々と試合を作られてしまう――そんな嫌なイメージがあった。

だからこそ、不安はあった。

それでも、こちらのマウンドには大野雄大がいた。

「大野なら、そう簡単には失点しない」

そんな安心感が確かにあった。

初回は、両投手とも無難な立ち上がり。
大野は低めを丁寧に突き、巨人打線に自分のテンポで攻撃をさせない。
対する田中将大も、打たせて取る持ち味を見せ、試合は静かな入りとなった。

だが、その落ち着いた立ち上がりの中にも、どこか張り詰めた空気があった。

「先に点を取った方が優位に立つ」

そんな同級生対決らしい緊張感が、バンテリンドームを包んでいた。

試合が動いたのは2回。

田中将大は細川、ボスラーに四死球を与え、続く龍空も出塁。
ドラゴンズはワンアウト満塁のチャンスを迎える。

打席には田中幹也。

不思議と、「幹也なら打ってくれる」――そんな感覚があった。
特別な理由があるわけではない。

ただ、田中幹也には“良い投手に強い”イメージがある。

難しい相手ほど集中力が増すというか、一球への入り方が違う。
簡単には崩れない投手相手でも、しぶとく食らいつき、チームに流れを持ってくる。

そしてこの日も、その期待通りだった。

放った打球は先制タイムリー。
バンテリンドームが大きく沸く。

ただ、同時に少し物足りなさも残った。

ワンアウト満塁。
絶好の先制機。

もちろん先に点を取ったことは大きい。
だが、「1点だけか……」という感覚も正直あった。

田中将大のような投手相手だからこそ、取れる時に畳みかけたい。
そんな空気が漂っていた。

しかし、先制点をもらった大野雄大は、その後も落ち着いていた。

巨人打線だけに、一発だけは警戒していた。
だが、この日はその気配すら感じさせない。

低めへの制球。
緩急。
そしてテンポ。

打者に「狙わせない」投球で、巨人打線を静かに抑え込んでいった。

そして試合を大きく動かしたのが5回だった。

先頭の田中幹也が内野安打で出塁。
さらに盗塁を決め、大野がきっちり送りバント。
一死三塁で打席にはカリステ。

ここで内野ゴロとなった瞬間、正直「やってしまった」と思った。

三塁ランナーの幹也が飛び出し、挟まれる形。
完全に止められたように見えた。

だが、ここから幹也が粘る。

必死にかわしながら時間を作ると、追っていた田中将大と接触。
結果は走塁妨害となり、ドラゴンズに大きな追加点が入った。

あのプレーは、幹也の執念が生んだ1点だった。

さらに二死から、最近3番にしっくりハマっている村松開人がタイムリーツーベース。
続く細川もタイムリーで続き、この回3点追加。

4-0。

この瞬間、「もう安全圏に入った」――そんな感覚があった。

なぜなら、この日の大野からは“4点取られる空気”がまったくしなかったからだ。

終盤、2番手の杉浦が丸佳浩に2ランホームランを浴びる。

完封ムードだっただけに、一瞬嫌な空気は流れた。
「まさか…」と感じたファンもいたと思う。

それでも、今日のドラゴンズは違った。

最後は守護神・松山晋也がしっかり締める。
落ち着いた投球で巨人打線を封じ、ゲームセット。

読売ジャイアンツに連勝。

派手に打ち勝った試合ではない。
だが、先制し、追加点を奪い、守り切る――。

今のドラゴンズが目指すべき、“勝てる野球”が詰まった一戦だった。

そして何より大きかったのは、同級生エース対決を大野雄大が制したこと。

静かに、力強く。

背番号22が、初夏のバンテリンドームで大きな流れを引き寄せたデーゲームだった。


🐶GPコメント

「いや〜今日は“安心して見れるドラゴンズ”だったワン!

まず大野さんが本当に素晴らしかったワン。
巨人打線って一発があるから怖いんだけど、今日はその雰囲気すら作らせなかったワンね。

それと幹也!
やっぱり良い投手に強いワン!
先制タイムリーだけじゃなく、5回の走塁も執念を感じたワン。
あのプレー、普通ならアウトで終わっててもおかしくなかったワン。

そして最近の村松くん、3番かなり合ってるワンね〜。
“繋ぐ”だけじゃなく、“返す”雰囲気が出てきたワン!

最後ちょっと丸さんに怖い一発はあったけど、松山くんが締めて連勝!
こういう試合を増やしていくと、本当にチームが上がっていく気がするワン!」

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