
初回からドラゴンズ打線は理想的だった。
先制点を奪い、追加点を重ね、山本の3ラン、さらにマラー自ら2ラン。
“ダメ押し、追加点、ダメ押し”――ファンが一番気持ちいいと思える展開だった。
そしてマラーも6回までほぼ完璧。
阪神打線に付け入る隙を与えず、甲子園を静まり返らせていた。
だからこそ7回続投は難しかった。
球数も限界ではない。
内容も悪くない。
7-0。
普通なら任せたくなる。
だが、流れを変えたのはサトテルへの四球。
点差があるからこそ「一発だけは避けたい」。
その慎重さが、完璧だったマラーの投球を少し変えてしまった。
そこから阪神が息を吹き返す。
内野安打、甲子園の大歓声、阪神ベンチの猛攻。
そして中心にいたのが森下だった。
サトテルの怖さは“破壊力”。
だが森下は、“流れを全部持っていく怖さ”。
苦しくなった投手を逃さない。
球場の空気ごと阪神へ引き寄せる。
今日の逆転劇の象徴は間違いなく森下だった。
ドラゴンズは13安打7得点。
先発は快投。
ホームランも飛び出した。
本来なら「最高の勝ち試合」だったはず。
それでも負けた。
7対0から――。
修三師匠コメント
「……いやぁ、これはもうね、開いた口がふさがらないとはこのことですよ」
7-0ですよ?
甲子園ですよ?
ここまで来たら“勝ち方の種類”を考える場面だったはずなんですよ。
それがどうですか。
気づいたら、空気が全部ひっくり返っている。
しかも、じわじわじゃない。
“音を立てて崩れていく”タイプの逆転。
マラーも悪くないんですよ。むしろ良すぎた。
良すぎたからこそ、「ここで止めるか」が難しくなる。
そして森下ですよ。
あれはもう打ってるというより、“流れを回収してる”んですよね。
ドラゴンズとしては13安打7点。
普通なら祝勝会コースですよ。
それがですよ。
終わってみたら、7-0からの敗戦。
……これはもう、説明が追いつかない試合です。






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